PENICILLINが新宿を舞台にライブサーキットした「新しい宿」ツアー。全公演の模様を総括しながら紹介!!8月14日には「祭り-MATSURI-2021-」公演も開催!!!

本当なら2020年のGW時期に行なうはずだった、新宿のライブハウスをサーキットするワンマンツアー「新しい宿」。だが、コロナ禍により何度も延期を繰り返してきた。その公演が、1年強の時を経て、ようやく「新しい宿 2021」と題して開催に漕ぎ着けることが出来た。5月16日・新宿LOFT/5月21日・新宿BLAZE/5月22日・新宿ReNYと、短期間の中、PENICILLINは一気に新宿のライブハウスを駆けめぐった。今回は、3公演とも有観客/配信ライブという形で開催した。

 

 

今回は、3公演のショートサーキットという理由もあり、軸を成すセットリストを作ったうえで、巧みに組み合わせを変えて3公演届けてくれた。一番の特徴が、ここ数年来の公演ではあまりライブ演奏をすることのなかった曲たちを積極的に演目へ組み込んできたこと。

 

今回のツアーでは、楽曲たちを大まかに4つのブロックに分けて構成。3公演とも、最初のブロックには、「Rosetta」や「秘蜜のデザート」「Quarter Doll」など、触れたとたんに気持ちが熱く奮い立つ激しい曲たちを並べていた。3日目の新宿ReNY公演の1曲目は、じっくりと歌を聞かせる「名もなき未来」を冒頭に持ってきたが、この曲自体が短めのように、激しい演奏を突きつけるためのオープニングテーマ的な役割を担っていたのも特徴的だった。今は何処の公演も同じだが、声出しが禁止であり、前後左右の人たちとの距離感を取らねばならず、思いきり騒ぐのは難しい環境にある。それをわかったうえで、あえて身体がむずむずする激しい曲たちを並べ、最初のブロックから攻めてゆくところが、じらしプレイを得意とするPENICILLINらしい冴えた構成だ。

 

冒頭を鋭い刃を突きつけた過激さを魅力に据えたブロックとするなら、次のブロックには、激しい中にも雄大さを持った曲たちを並べ、観客たちの身体を大きく揺らし続けていった。このブロックでは「墓標」か「CROSS HEARTS」を始まりに、「FIORE」「ハル」と続く流れを用意。どの曲も久し振りにライブで耳にする曲たちという嬉しさもありつつ、活動初期の名曲「FIORE」と中期に作りあげた「ハル」を組み合わせ、次第に雄大さを増してゆく形を取り、身体に熱を覚えながらも気持ちを心地好く上げてゆく構成を成していたところが嬉しい魅力だった。

 

3rdブロックは、3公演とも「若きウェルテルの悩み」からスタート。この曲も、ライブで触れるのは久し振りだ。「若きウェルテルの悩み」は、心に染み渡る歌を魅力にした、しっとりと幕を開けるバラード曲。観客たちも、このときはじっくりとHAKUEIの歌声に耳を傾けてゆくのだが、サビ歌へ入るのを合図に楽曲は激しさと速度を増し、一気に攻めゆく表情へと変貌してゆく。まさに、ドラマチックな展開を描き出す楽曲だ。「若きウェルテルの悩み」を合図に、3rdブロックでは「NO CONTROL」「BLACK HOLE」「透明人間パルサー」とハード&ロックンロール色の濃い曲たちを公演ごとに巧みに並べ変え、PENICILLINは最後のブロックに向け、観客たちの騒ぎたい感情を煽り続けていった。

 

本編最後のブロックには、3公演とも理性のストッパーを外し暴れたくなるパンキッシュな楽曲を三連打していった。初日と2日目は、「Just a kiss on your 3rd eye」「SAMURAI BOY」「SEX」という激しさを増してゆく流れを通して。最終日は「聖・MARIAN HURRICANE」「SAMURAI BOY」「DEATH DANCE」と続く流れを作り、空高く突き抜けるような解放感を持った気持ちにしながらも、そこから一気に急降下。理性を失くし、本能が導くままに騒ぐ曲たちを並べる形を作っていった。本当なら思いきり身体を揺さぶり、拳を突き上げ騒ぎたいのに、制限があるので騒げない。3公演ともこのブロックに共通していたのが、感情は昂り続けるのに発散できないことへのもどかしさを覚えること。こんなにも暴れ曲たちを並べながらも、あえてHAKUEIは「暴れんなよ」「声出すなよ」と毎回声を上げていた。むしろ、それは拷問のようなもの。それをわかったうえで仕掛けてくるところもまた、精神的にサディスティックなPENICILLINらしさ。

 

アンコールは、「新しい宿」シリーズのテーマ曲として選出。3公演とも「一発あてろ」からスタート。新宿といえば、東京で成功を夢見た地方の人たちが憧れの地として集まってくる場所。つまり、ジャパニーズドリームを夢見て一発当てようとして集まるという理由から、その想いに重なる「一発あてろ」を持ってきたというわけだ。ここでは、メンバーたちがブルーズ&ロックンロールな演奏を通し、毎回観客たちの身体を心地好く揺らしていった。

最後の楽曲は、毎回「B.V.B」「Justice」「Mr.Freez」「ロマンス」の中から選ぶ形を取っていた。先に伝えておくと、配信を見ている人たちは、最初のアンコールでライブは終了になる。会場に足を運んだ人たちには、2回目のアンコールを用意。その流れの中、どの楽曲を演奏するのかが毎公演の見どころにもなっていた。

1回目のアンコール公演の最後は、初日と千秋楽公演で「Justice」を演奏。2回目のアンコール公演では、中日と千秋楽公演で「B.V.B」を取り上げたように、フラストレーションを爆発させるに相応しい曲たちを好んで並べていた。毎回、観客たちも可能な範囲で身体を動かして楽しんでいたが、騒ぎたいのにイキきれないもどかしさは、3公演ともに覚えていたことだったに違いない。でも、コロナ禍の今はそれがルール。むしろ観客たちも、昨年よりPENICILLINの有観客公演の中、同じルールの中でライブを楽しんできたように、悶々とした感情を余韻として噛みしめ味わうという、制限された環境の中での楽しみ方を見いだしているようだ。

 

活動29年というキャリアを誇るバンドのように、シリーズ公演ごとに定番からレア曲まで様々な組み合わせを作り上げ、見ている人たちを飽きさせないどころか、つねに歩んできた歴史の活動初期から現在までを行き来する流れを毎公演ごとに作り上げてゆく。それが、PENICILLINのライブの楽しさであり、毎回観てもけっして見飽きない魅力になっている。

 

最後に、PENICILLINの最新情報をお伝えしよう。一昨年よりPENICILLINが"夏の恒例行事"として始めた「祭り -MATSURI-」公演。今年は、8月14日にVeats SHIBUYAで「祭り-MATSURI- 2021」公演として開催になることが決定した。現状、有観客/配信ライブという形で予定している。その時期の状況次第では無観客ライブ配信のみになる可能性もあるが、ライブ自体は行なうので楽しみにしていて欲しい。最後に、メンバーから「祭り -MATSURI-」公演へ向けてのコメントが届いたのでお伝えしたい。

 

HAKUEI 「祭り」公演は一昨年から始めた、「夏に祭りっぽいライブをやりたいね」と言う想いから始まったシリーズのようにまだ歴史も浅いんですけど、いつもとは違うPENICILLINのライブにもなっています。今年は、まだ有観客公演としてやりきれるのか、その時期の情勢次第のようにわからないですけど、仮に無観客ライブ配信になったとしても、しっかりとライブはお届けします。今年は"夏のお盆時期"に行なうこともあって、みんなと一緒に夏の終わりにかけての気分を味わえるようなことを、これからいろいろ考えようと思っています。そこは、楽しみにしていてください。

 

O-JIRO  僕らもまだ社会情勢次第で「祭り -MATSURI-」公演をどういう形で開催できるのかが見えてないように、今年の夏も、多くのイベントや夏祭りが自粛などで中止になり、みんなが気持ちを発散できる行事や方法がなくなってしまう可能性もあるじゃないですか。でも「祭り -MATSURI-」公演は、たとえ無観客になったとしてもライブ自体はやるように、この日、みんなが盛り上がれるようなライブになったら…そんなお祭りになれたらいいなと思っています。PENICILLINは例年、年末に向けて盛り上がっていくスケジュールを組み立てているように、まさに「祭り -MATSURI-」公演が、PENICILLINの後半時期のスタートとなるライブ。みんなも、ここから一緒に年末へ向けて駆けだしましょう!!

 

千聖  今はまだ、「祭り -MATSURI-」公演を含め、今後の予定が見えづらい状態だけどね。がっつりと突き進んでいくPENICILLINの姿勢は、何も変わらない。まぁPENICILLINとしての新作のレコーディングもこれから取り掛かってるし、秋から冬に向け、「祭り -MATSURI-」公演をきっかけに色々盛り上げていこうと思っているので、これからの動きにもぜひ注目していてください。

 

新宿LOFT公演

「九龍頭」(SE)

「Blood Red Snow White」

「Rosetta」

「秘蜜のデザート」

<MC>

「墓標」

「FIORE」

「ハル」

<MC>

「若きウェルテルの悩み」

「NO CONTROL」

「BLACK HOLE」

<MC>

「Just a kiss on your 3rd eye」

「SAMURAI BOY」

「SEX」

-ENCORE-

「一発あてろ」

「Justice」

-W ENCORE-

「ロマンス」

 

新宿BLAZE公演

九龍頭」SE

「Quarter Doll」

「記憶の固執~融けゆく時間~」

「秘蜜のデザート」

<MC>

「CROSS HEARTS」

「FIORE」

「ハル」

<MC>

「若きウェルテルの悩み」

「NO CONTROL」

「透明人間パルサー」

<MC>

「Just a kiss on your 3rd eye」

「SAMURAI BOY」

「SEX」

-ENCORE-

「一発あてろ」

「Mr.Freez」

-W ENCORE-

「B.V.B」

 

新宿ReNY公演

「九龍頭」(SE)

「名もなき未来」

「Rosetta」

「Just a kiss on your 3rd eye」

<MC>

「墓標」

「FIORE」

「ハル」

<MC>

「若きウェルテルの悩み」

「透明人間パルサー」

「BLACK HOLE」

<MC>

「聖・MARIAN HURRICANE」

「SAMURAI BOY」

「DEATH DANCE」

-ENCORE-

「一発あてろ」

「Justice」

-W ENCORE-

「B.V.B」

 

【PHOTGRAPHER:折田琢矢】

【TEXT:長澤智典】


【ライブ情報】

ライブ決定

「祭り2021」

2021年8月14日(土)

Veats SHIBUYA

チケットファンクラブ優先予約

7月13日(火)から受付開始

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【ファンクラブ[QUARTER DOLL]会員先行(抽選)】

受付期間:7月13日(火)12:00〜7月20日(火)23:59

受付URL:https://eplus.jp/penicillin0814qd/

制限枚数:1会員様1申込2枚

 

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