人として生きるうえでの讃歌にするのか、それとも道を踏み外し惨劇にしてしまうのか…。CHOKE、衝撃の問題曲「人間惨歌」を配信リリ―ス!

9月11日に、CHOKEが2ndデジタルシングルとして「人間惨歌」を配信した。それに合わせ、「人間惨歌」のMVも公開になった。そのMVが、精神病院へ入院している心に闇(病み)を抱える人たちと、患者たちを世話する精神が疾患した(イカれた)医者との日常を描いたホラー映画のような内容。蟲や生肉を喰らうメンバーたちの姿は、ライブで見せる常軌を逸した様と重なるものがある。

 

1stデジタルシングル「全然問題ねぇ」や今回の「人間惨歌」の映像、REONのイッちゃってる様などを味わえるライブの印象。ラウド/ラップ/エクストリーム/インダストリアル/アバンギャルド/シンフォニック/美メロなど、様々な音楽をコラージュしたシュールな音楽性から、CHOKE=世の中に反旗を翻すヤバいアナーキストなバンドという印象を持つ人たちがいる。それは大きな間違いだと、先に訂正しておきたい。

 

「人間惨歌」でもそう。CHOKEが示しているのは、「どんな状況下に置かれようと、どう自分なりの生き方を示しますか」ということ。「人間惨歌」には、自分の正義を信じて生きる人の姿を描写している。それが間違っていた信念であり、社会的には犯罪だとしても、犯罪は否定すべきだが、その人にとっての真実という意志は果たして完全否定すべきなのかと…。たとえそれが惨劇に陥ろうとも、人として賛美すべきなのかと…。モヤモヤとした感情の中でさえ、信念を持って未来を切り開けと、彼らは人としての生き方を提示してきた。

狂気の顔(マスク)をかぶりながら、人としての良識は何かを、つねに皮肉めいた表現を通して突きつけてゆくCHOKEのメンバーたち。今回、4人が「人間惨歌」についてコメントを届けてくれた。

「♪WOW WOW WOW♪とコーラスでシンガロングしてゆくパートをメロディアスな聴かせの要素にするなど、「人間惨歌」は衝撃的な楽曲です。いろんな人の声を集めたのは、デモ運動のように、みんなで声を上げていくことで未来を変えていけることをイメージしてのもの。

人は、それぞれに意志や考えを持って行動してゆく。一方から見れば、それは「悪」でも、もう一方では、それを「正義」と信じ、信念を持つ人もいる。それって「善悪」以前に人間だからこその持ち味であり、人として賛美すべきこと。そこが歌詞の根源になっています。ただし、自分が正義と思っていることで犯罪を犯したら…。それは、社会的には悪なのはもちろんだけど。たとえば、認知症の親の介護疲れから起こした犯罪を「悪」と短絡的に決めつけるのは難しいこと。つまり、「悪いことをして何か悪いんだ」ではなく、「何故、そうなってしまったのか」へフォーカスしたうえで、それでも人として未来を見つめようと示したのが、この歌。本当なら「人間讃歌」にしたいところを、CHOKE流の皮肉を込めたところから、タイトルを「人間惨歌」にしています」(REON)

「Aメロはディミニッシュコードを使って不協和音がガンガンに入った、しかもCHOKE史上最速なツービート楽曲として始まりながら、でもCHOKE流のキャッチーさを出そうと、つかみを持った表情としてクワイア風のシンフォニックな面を持ってきたところが、一筋縄ではいかないCHOKEらしさ。メロディーや歌詞がなくともキャッチーさを出せる姿勢を示しつつ、次々と曲の表情を変えてゆく面もCHOKEらしいところ。まさに、CHOKEがあるべき独自のスタイルは、この「人間惨歌」を通し一つ完成させられたなという手応えを覚えています」(KVYA NONO)

「人間の感情って起伏も激しいし、グロテスクだし、カオスじゃない。その心模様を、楽曲と歌詞すべてにリンクさせたのが「人間惨歌」。これは間違い…ではなく、人それぞれの価値観を尊厳してこその人間だからこそ、それを賛美したい。ただし、理不尽な犯罪行為を犯し、法の下に裁かれるような惨事とは切り離して考えたいところだけど」(B5)

「序盤の怒濤のツービートは、近年のメタルコア的なアプローチ。畳みかけるような高速ツービートの展開が終わったあとに、REONさんのラップパートが入り、楽器隊が音を刻んでゆく。そこでは、あえてシンバルを重ねた音でソリッド感を出すなど、それぞれのブロックごとに表情を活かす演奏をしていきました。ふた癖もみ癖もあるところが「人間惨歌」であり、CHOKEらしさなんだと思います」(Toshiya Sato)

 

メンバー自身も、「前シングル「全然問題ねぇ」で作り上げたCHOKEらしさを進化させ、今のCHOKEらしさを確立した作品」(KVYA NONO)として、嬉しい手応えを感じている。

 

そしてもう一つ、話題になりそうなのが、「人間惨歌」のMVだ。精神病の人たちを預かっていた、とある廃院を舞台に撮影。蟲や生肉を食べるシーンも登場。精神疾患者たちと、それを治療する、同じく精神のイカれた医師が登場するこの作品は、猟奇的?なホラー作品の様相を呈している。観る人たちはきっと、「この人たち、ヤバくない?!」と口にするだろう。でも、彼らが「人間惨歌」の歌詞に込めた想いを紐解けば、じつは狂気や猟奇な存在に成り得るのは、この映像を観ている"あなた"なのかも知れない…というところまで理解してもらえたら幸いだ(映像だけではそこまでは伝わらないので、ぜひ音源を手にし、歌詞を読んでもらいたい)。

 

CHOKEが示した新しい表情。彼らのメッセージをしっかり呑み込み、人として生きるうえでの讃歌にするのか、それとも道を踏み外し惨劇にしてしまうのか、それをCHOKEは問いかけてきた……と言いたいところだが、しっかり光の道へ示そうとしてきたところも、本当は心優しいCHOKEらしさなのかも知れない。 ただし、OFFICIAL SHOP限定でダウンロード販売した「Amyotrophic」では、どん底まで落ちてゆく絶望の歌を示してもいるのだが…。

 

【TEXT:長澤智典】


「人間惨歌」MV
https://youtu.be/2bBYbep-ayA

全然問題ねぇ-No problem at all-“(OFFICIAL VIDEO)
https://www.youtube.com/watch?v=JqcF4xmBQyM

“ピザとコーラ-Pizza and Cola-" (Official live film)
https://www.youtube.com/watch?v=Oda_XHbce6k&t=536s

 

★インフォメーション★

【ライブ】

・9月16日(水)新宿ANTIKNOCK

・9月19日(土)高田馬場AREA

・9月26日(土)高田馬場AREA

・10月1日(木)新宿ANTIKNOCK

・10月7日(水)大塚DEEPA

・10月11日(日)高田馬場AREA

 

【リリース】

・1st single"全然問題ねぇ"ダウンロード&ストリーミングにて配信中

 

・ライブフィルム"ピザとコーラ"オフィシャルショップにて発売中

 

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