巽(XANVALA)の生誕祭単独公演が作り上げたのは、制限された中での最大限の自由!!

巽(Vo)の誕生日前日となる10月17日(土)、池袋BlackHoleを舞台にXANVALAが単独公演「巽生誕祭-人間賛歌-」を行った。この日は、メンバー全員が「巽メイク」で登場。カバー曲の披露もあれば、入場者特典として、「XANVALA初主催東名阪ツアー「侵-EROSION-色」オフショットDVD〈巽Birthday Edition〉」が配布された。通常のライブの1/4程度という入場規制が行われていたため、観たくても足を運べなかった人たちも多かったこの公演。当日の模様を、ここにお伝えしたい。

フロアから生まれた熱い手拍子へ導かれ、メンバーたちがステージへ。「咲けー!!」「心で叫べ!!」の声を合図に、XANVALAのライブは「独善」から幕を開けた。声を出せないぶん、力強く拳を振り上げ、想いをぶつける観客たち。騒ぎたい衝動に駆られる人たちの気持ちを鼓舞するように、メンバーらは感情を騒がせる重く攻撃的な演奏を突きつける。その衝撃に触発され、その場で飛び跳ね、拳を振り上げながら、沸き立つ想いを観客たちは舞台の上へぶつけていた。心の牙を剥き出し挑みかかる、5人の姿も刺激的だ。

「ヘッドバンキングだ、ハンパなことするんじゃねぇぞ!!」、煽る巽の声を合図に、激しく身体を揺さぶり、頭を振る観客たち。XANVALAは「DROID」を通し、観客たちを攻め続ける。演奏が熱と迫力を増すごとに、感情のアクセルを何度も踏み込む自分がいた。横へ動けないぶん、上へ上へと飛び跳ね、観客たちは奮い立つ気持ちを解き放つ。たとえ声は上げられなくとも、心の叫びを共有しながら気持ちを一つに繋げてゆく様が、そこには生まれていた。

「もっともっと綺麗な乱れ髪を見せてくれるかっ!!」。巽の声に続いてXANVALAが突きつけたのが、和要素抱いた「文明開花」だ。フロア中の観客たちが花魁と化し、髪を振り乱し、熱狂した声を心の中で上げていた。激しく高鳴る音の衝撃に触れ、身体が熱く震えだす。お立ち台の上から観客たちをキリッと見据え、もっともっと暴れ狂えと煽る巽。彼の煽りに合わせフロア中に広がった、乱れ髪が波のように大きく揺れる光景は壮観だ。

 

「今日は俺の生誕祭ですが、逆サプライズとして新曲のプレゼントを持ってきたぜ」。巽の声を合図に飛びだしたのが、頭から印象付深い歌を届けながらも、ノイズにも似た凄まじい音を放つ熱狂暴れソングの「左耳の悪魔」。耳に残るメロディアスな歌が印象的だが、同時に、XANVALA流のハードコアでエクストリームなロックとでもいうべき轟音鳴らし爆走する演奏を突きつけ、初見だろうと関係なく観客たちの身体を彼らは騒がせてゆく。フロアでも興奮導く音に酔いしれながら、飛び跳ね、頭を振り、大きく両手を掲げて咲く光景が広がっていた。

激しさは止まらない。70.の弾く重低音響くベースサウンドが、デジタルビートに乗せ身体を直撃。その音に合わせ、フロア中の人たちが手拍子を始めた。楽曲が黒く重いデジタル系のダンススタイルへ変貌すると同時に、演奏は「ヒトリ舞台」へ。XANVALA流のダンスロックに飛び乗り、ビートに合わせ跳ね続ける観客たち。その様を観ながら挑発を続けるメンバーたち。きらびやかでダンサブルな音の渦の中へ身を預けていると、ビートとシンクロするように気持ちも躍動してゆく。アガり続ける感情、昂り続ける高陽。もっともっとハイな恍惚を与えてくれ。轟音渦巻く中でエクスタシーを感じさせてくれ。

巽の哀愁を抱いた歌声をきっかけに、楽曲は「終幕」へ。変拍子を軸に据えたトリッキーな楽曲ながら、歌メロが印象深いぶんだけ、心が歌声に惹かれだす。唸る黒い轟音グルーヴも、身体を騒がせる刺激を与えてゆく。火照った感情を、もっともっと赤黒く染めてくれ。その高揚を抱いたままイカせてくれ。

 

「ついにこの日がやってきたね、主役です。今日は全員巽メイク。フロアにも俺のメイクをしてくれている子がいるようで、ありがとね。今日を迎えられて本当に幸せです。ヘドバンは解禁になったけど、2列目までフェイスガードをしてもらえば、お互いの距離も開けているように、楽しむには少し窮屈な想いをさせているけど、止まらずにここまで進んでこれたのもみんなおかげです。俺たちとお前たちがいれば、この先も大丈夫だと思うので、俺らにしっかりついてきてください。今日だけは、俺自身のためにこの歌を歌ってもいいですか」(巽)

 

「ガタガタガタガタうるせぇな!!」と声を張り上げ、巽が歌ったのが「誰が為の幸福論」だ。身体中に熱を巡らせ、感情のストッパーを壊す楽曲の登場に、フロア中の人たちが一斉に拳を天に突き上げ跳ねだした。演奏陣の出す音の迫力が凄まじい。次々と黒い轟音の塊を撃ち放てば、理性を吹き飛ばす音で頭を空っぽにしてゆく。この音に触れながら騒ぐことが何よりもの恍惚だ。最高に幸福を感じられる瞬間だ。

聴き慣れた同期音が鳴り響くが少しいつもと違う。XANVALAの始まりを告げた「鮮やかな猛毒」だ。冒頭巽の歌うメロディーから始まるこの曲は、「XANVALA巽はこの曲で生まれました。来年も再来年も、俺はこの毒を振りまいていきます。」というメッセージから始まった。実に粋な計らいに応えるようにフロア中で乱れる髪。メンバーたちは、巧みに緩急を付けた演奏を魅力に、観客たちの気持ちを酩酊させてゆく。一緒に恍惚の海の中へ飛び込め、興奮と熱狂という鮮やかな毒を身体中に注入し、XANVALAの僕(しもべ)と化してしまえ!!

「特別な日に、特別な傷をつけあおうか!!」「傷つけあおうか!!」。XANVALAが最後に突きつけたのが、破壊力満載なハードコアでタエクストリームなラウド曲「悪辣が君を襲う」だ。凄まじい音を叩きつける演奏、負けずと観客たちも髪の毛をザンバラと振り乱し、沸き立つ感情をぶつけていた。『オイ!オイ!』と煽るメンバーたち。そこには、絶叫や横モッシュがないだけで、互いに距離感を保ったうえでの、何時ものような気持ちを野生に変えるライブが生み出されていた。コロナ禍の中だろうとライブを止めることのなかったXANVALAらしい、どんな環境だろうと触れた人たちの本能を剥き出しにしてゆくライブを、彼らはこの日のステージを通して示してくれた。

 

声を出せないオーディエンスが選んだ選択は手拍子。もう一度彼らのライブが見たいと湧き上がる手拍子に応えるように第二幕のSEが鳴り響く。ふたたび感情を剥き出しに、互いに肌で熱狂を感じようとXANVALAメンバーが現れアンコールの一発目で巽、宗馬の前バンド。LIMから「BULLET」を撃ち放った。大きな音の唸りに合わせ、その場で大きく飛び跳ねる観客たち。巽の歌に合わせ大きく揺れる手の動きや、荒ぶる演奏と同調するように跳ねる光景が目にも鮮やかだ。そこには、本編で生まれたのと同じ、欲望を剥き出しに熱狂を喰らおうとする連中が互いの気持ちを求めあう光景が生まれていた。身体が騒いでたまらない!!

 

XANVALAと言えば自分達のかっこよさを全面にライブで叩きつけるイメージだが今日は違った。バースデーイベントらしく暖かい雰囲気を作る彼らのしていた事は会場にいた人達だけの特権という事で此処で書くのは伏せておく。

「ここで巽にとって特別な曲を演ろうと思います」(70.)「今、世の中だったり、自分たち個人でもつらいこと、苦しいことがいっぱいあると思うんですよ。楽しいだけの人生の人っていないと思う。そういう人たちの背中を一緒に押せたらいいなと思ってます。どうか一緒に笑い飛ばしていきましょう」(巽)の言葉に続いて飛びだしたのが、巽の心の背中を10年以上押し続けてきた雅-miyavi-の「素晴らしきかな、この世界」。観客たちも手拍子をしながら、想いを吐き出すように歌う巽の歌声を、ヘヴィグルーヴな楽曲を、受け止めていた。

 

「俺の生誕祭、ヘドバン解禁日、こんな特別な日に爽やかな感じで終わるわけねぇよな。俺ん中にあるどろっどろの愛情を受け取ってくれるかっ!!」。最後にXANVALAは、フロア中に熱狂を巻き起こし、一緒に心で絶叫を交わしあおうと「CREEPER」を突きつけた。フロア中の人たちがその場で大きく飛び跳ね、頭を激しく振り回す。このまま、カオスな音の渦の中で愛し合え。縛られたルールの中でも自分を開放することは十分に可能だ。心は誰にも縛られない。そこ(XANVALAのライブ)には自由があった。己を解き放ち、欲望のままに騒ぎ狂う宴がそこには生まれていた。

 

やまないアンコールに応え、予定外のアンコールを実施。「今日を特別な日にしようじゃないか」とXANVALAがぶつけたのが「ジセイ」だ。気持ちを昂らす楽曲に合わせ、突き上げた拳を振り回す観客たち。何時しか感情を抑えきれず、観客たちが飛び跳ねていた。巽の想いをぶつけた歌が胸に突き刺さる。ここは、気持ちを解き放つことを許された聖域だ。それを感じ取っているからこそ、誰もが大きく手の花を咲かせ、無邪気に戯れていた。

 

何時だってXANVALAは、熱狂へ導く空間を用意している。あとは、あなたがその解放区へ飛び込むだけだ!!

 

―セットリスト―

「独善」

「DROID」

「文明開花」

「左耳の悪魔」

「ヒトリ舞台」

「終幕」

「誰が為の幸福論」

「鮮やかな猛毒」

「悪辣が君を襲う」

-ENCORE-

「BULLET」(LIM cover)

「素晴らしきかな、この世界」(雅-miyavi- cover)

「CREEPER」

-W ENCORE-

「ジセイ」

 

【PHOTO:a.kwsk』

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【TEXT:長澤智典】


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